技術者のエゴを排除することにこだわる理由
私は長年、Web開発の現場で技術者として働いてきました。その経験から、一つの大きな課題を見出しました。それは「技術者のエゴ」という問題です。
今回は、なぜNUXILが「技術者のエゴを排除し、本当に価値ある技術を提供する」というミッションにこだわるのか、私の想いをお話ししたいと思います。
技術者のエゴが生む “悲劇” を目の当たりにして
ある中小企業のお客様との会話を、今でも鮮明に覚えています。
「最新のクラウドシステムを導入したんです。でも、使いこなせなくて…結局、前の方法に戻しました」
この言葉を聞いたとき、胸が痛みました。なぜなら、私自身もかつて同じような提案をしていたからです。
技術者として、最新の技術やトレンドを追いかけることは楽しいものです。新しい技術を使えば、確かに効率は上がるかもしれない。でも、本当にそれがお客様にとってベストな選択だったのでしょうか?
なぜ私たちは”技術者のエゴ”と戦うのか
「DX」という言葉が一般的になった今、多くの中小企業がデジタル化への対応を迫られています。しかし、その本質は単なるデジタル技術の導入ではありません。
私が日々の業務で目にするのは、こんな光景です:
- 高額なシステムを導入したものの、使いこなせていない
- 最新技術を採用したが、かえって業務が複雑化してしまった
- デジタル化を進めたが、社員の反発で形骸化している
これらの多くは、私たち技術者の「できること」への執着が生んだ結果だと感じています。
NUXILが目指す本当の価値とは
では、技術者のエゴを排除するとは、具体的にどういうことなのか。
私たちNUXILは、こう考えています:
- まず、お客様の現状と課題を深く理解する
- 組織の文化や習慣を尊重する
- 必要最小限の技術で最大の効果を目指す
- 段階的な導入と改善を重視する
- 結果が出るまで伴走する
時には、エクセルの作業を自動化するだけで十分なこともあります。時には、紙の業務フローを整理することから始めることもあります。
「最新技術を使わなくていいの?」と思われるかもしれません。しかし、これは決して技術を軽視することではありません。むしろ、技術を本当の意味で活かすために、より深い理解と洞察が必要になるのです。
少数精鋭だからこそできること
私たちが「技術者のエゴの排除」を実現できる理由の一つが、少数精鋭という組織体制です。
技術者が直接クライアントと対話し、営業と技術の壁を取り払うことで、より正確な課題把握と適切なソリューション提供が可能になります。また、小回りの利く組織だからこそ、お客様の状況に応じた柔軟な対応もできます。
終わりに
「本当に価値ある技術」とは、お客様の課題を解決し、実際の成果につながる技術のことです。それは必ずしも最新のものである必要はありません。必要なのは、お客様の視点に立ち、真摯に向き合う姿勢です。
技術者のエゴを排除することは、決して容易なことではありません。時には、自分自身の「やりたい」という気持ちと戦わなければならないこともあります。
しかし、それこそが私たちNUXILの存在意義であり、お客様との信頼関係を築く基盤なのです。これからも私たちは、この理念を胸に、中小企業のDX推進を支援していきます。
泥臭い作業も厭わず、確実な成果を生み出すために。 それが、私たちの「志」なのです。